月刊サイクルビジネス
金融業界から自転車業界へ転身した高谷信一郎社長。ミヤタサイクルのトップに就任して4年目を迎えるが、ここ数年で企業体質を大きく転換、利益を出せる会社になってきた。だがまだ道半ばであり目指す理想には至っていない。厳しい市況の中、どんな戦略で臨むのか伺った。
この数カ月、日本における経済変動は殊に激しかった。昨年末の政権交代以降、安倍首相によるいわゆる「アベノミクス」という 経済施策がカンフル剤となって停滞していた経済が輸出を中心に活性化し日銀の金融緩和で刺激された株価も右肩上がり。日本経済が明るさを取り戻し始めた一 方、自転車業界は円安と販売不振というダブルパンチに見舞われて復活の兆しさえ見えていない。しかし時代がうねりをあげて動き出そうとしている中で自転車 輸入商社も将来へ向けはっきりとした方向性を打ち出し始めている。各社の動きを追った。
北関東地方の自転車業界における喫緊の課題は、11年の震災需要のリバウンドからまだ脱しきれていないことだろう。通学需要はまずまずであったが、地域経済が停滞したままで消費マインドが浮上してこない。厳しい雇用情勢の改善のため栃木労働局などが県商工会議所連合会など県内経済5団体に要請書を出し、景気は緩やかに回復も先行きは依然不透明とし、新規学卒者の採用拡大を求めている。また、原発事故の風評被害の影響をいまだに受けている茨城県地方などは農業、商業ともに依然厳しい状況が続く。
(株)ビーディーエスが、同社柏の杜オークション会場において開催しているJACA(ジャパンサイクルオークション)。6月12日には第200回記念オークションが実施されて大盛況であった。この日の出品数は完成車、部品を合わせて約300にも達し、ルックのハイエンドロードバイクが35万円以上で落札されるなど完成車の平均落札額は2万5000円を超えている。